パイル(短繊維)

電気植毛用パイル及び合成樹脂、ゴム、紙向けコンパウンド用短繊維

パイルの製造方法

静電植毛用パイル(短繊維)繊維(原糸)メーカーより仕入れた糸を指定の長さにカットし、そのカット糸表面に
”電着処理剤”をコーティングしたものを「パイル」または「フロック」と呼んでいます。
電着処理を施す事によってパイルに導電性と分散性を付与させ、電気植毛加工の際、高電圧が
印加された状態になると電界内でパイルは飛昇運動を始めます。
飛昇しているパイルの電界内に接着剤が塗布された基材を通過させるとパイルが基材の接着剤層へ垂直状態に植付けられ、電着植毛品が出来上がります

パイルの素材には主にナイロン、レーヨン、コットン、ポリエステルなどがあり染料できっちりと指定色に染色するタイプと
当社では繊維メーカーと取り組み、原糸の製造段階で着色する”原着糸”の少ロット生産化を取り入れており、
染色パイルに比べ耐候性などの各堅牢度を高めたパイルも取り扱っています。

パイルの製造工程

パイルの製造工程

電着処理剤

パイルの電着処理とは簡単には帯電防止加工を繊維表面に施し、導電性を持たせるという電気植毛には欠かせない役割です。
一般的に多く用いられている処理剤としては無機塩類、各種界面活性剤を数種の併用によって使用する「無機塩処理」があります。

当社ではアキレス株式会社が開発したポリピロール系導電性ポリマーを用い繊維表面に化学結合させる新たな電着処理として
「ドリーマロン」パイルを同社と共同で開発し、植毛加工の際、長時間使用しても電着処理層が傷みにくく、
処理粉(電着処理剤の結晶片)も発生しにくい為、植毛加工の際にパイルの取扱いが容易になる為、
作業効率や歩留り向上が図れます。
またポリエステルなどの疎水性繊維にもドリーマロン処理は適合していますので繊維との組み合わせで様々な用途へ
静電植毛加工の応用が可能です。
ドリーマロンについては導電加工のページでも詳しく説明しておりますのでぜひご覧下さい。

電着処理剤

パイルの太さと長さの関係

繊維の太さはデシテックス(T)という単位で、恒長式番手によって単位長あたりの重量(g)で、太さを表します。
デシテックス(T)は、10,000メートルの糸の質量をグラム単位で表したものです。10,000メートルで、重量が、1グラムの場合、
太さは1デシテックスとなります。当社ではパイルにも同様の表記法を用いています。
パイルの長さ設定は、一般的に1.0㎜前後が多く、用途によって0.3㎜から2.0㎜程度まで使用されています。
パイルは云わば粉体の様なものなので、分散状態が良いほど、使用時の加工性に優れていると言えます。
そこでパイルの太さと長さのバランスが大きく関係しており、特に長いカット長で細い繊維を選定してしまうとカットしたパイルが
湾曲(カール)しやすく絡まり、製品不良や作業効率の低下影響を及ぼします。
パイルアスペクトをご理解いただく事で製品開発のスピードアップへと繋がると考えています。

素材別繊維径(太さ)と長さ参考値
デシテックス
(番手)
ナイロン(比重 1.14) レーヨン(比重 1.5) ポリエステル(比重 1.38)
直径(ミクロン) 長さ(ミリ) 直径(ミクロン) 長さ(ミリ) 直径(ミクロン) 長さ(ミリ)
0.8T 8.0~9.0 ~0.5
0.9T 9.0~10.0 ~0.5
1.1T 11.0~12.0 ~0.6 9.0~10.0 ~0.5 10.0~11.0 ~0.6
1.7T 13.0~15.0 ~0.7 11.0~12.0 ~0.6 12.0~14.0 ~0.7
2.2T 16.0~18.0 ~0.8 13.0~15.0 ~0.7 15.0~16.0 ~0.8
3.3T 19.0~20.0 ~1.2 16.0~18.0 ~1.0 18.0~19.0 ~1.2
6.7T 27.0~28.0 ~2.0
17T 43.0~44.0 ~3.0 37.0~39.0 ~2.0
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